黒い霧

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歳のいった長女は
「それはどこの家庭でもあるんじゃない?」と言った。
長男は笑いながら聞いていたが、急に真顔になったり、「なに!?そんなことがあったのか!」
と声を荒げたりもした。

次男は「フム・・」と小声で少し考えたふうな表情で視線を下に落とした。

姉兄は私しか知りえない、兄弟が生まれ育った実家の暗部の告白に塵(チリ)のような反応しか示さなかった。

なぜ姉兄たちは、私の告白に一時的な少しばかりの興味しか持たないのだろうか。


長き時間を経た今になって、私もなぜ突然そのことを姉兄たちに告白する気になったのか、なぜ告白したいのか、告白する心底はどこからきているのか私さえも不明なのだった。
ミステリー・推理
公開:22/01/25 13:30
更新:22/01/26 17:48

新 武( さっぽろ )

誰にも書けない短編の連続、あなたの心に幸せのイマジネーションを。
e-mail:rsbi8037@yahoo.co.jp
★fc2ブログ
生き方が変わる映画の紹介ですぞ。
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