すれ違いおじさんの推理

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駅まで歩いている時のお話です。
車道沿いを歩いていると行く手の路地から二人の女の子が歩いて来ました。
歳は小学生くらい、私とは直角にすれ違う形です。
二人は横断するため車道の手前で一旦立ち止まります。
するとすぐに「おーい。○○」と何処からか呼びかける声が聞こえました。
彼女らはキョロキョロと声の主を探します。どうやらどちらかの名前が呼ばれたようです。
やがて声のする方を見つけました。
その方向は、交差点の横断歩道の向こう側で同じく小学生くらいの男の子が信号待ちをしています。
そしてその場で固まる彼女らとすれ違う時
「え、何で分かったんやろ?」と1人の声が聞き取れました。
すれ違いおじさんは一つの仮説を頭に浮かべます。
青信号に変わり、足取り軽く駆け出す少年。
すれ違いざまにチラッと彼の顔を見ます。
仮説は確信へ変わりました。

「なんかいいなぁ」
眼鏡のすれ違いおじさんは駅へ急ぎます。
青春
公開:22/01/25 10:38
更新:22/01/25 10:47

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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