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 今のところ私の人生はまあ順調だ。困るようなことは全くない。ただ、一つ問題があるなら私には才能がないことだろう。
 成績は中庸、運動もあまり得意じゃないけれど極端にできないわけじゃない。ただ、何か一つに人生を賭ける情熱もない。そんな情熱がうらやましい。
 ある日私が学校から帰っているとき、公園のほうがにぎやかなのに気づいた。どうやらフリーマーケットが開かれているようだった。そのうちの一つの屋台に私は目を奪われた。そこでは一人のおばあさんが手作りのアクセサリーを売りに出していた。しかし、私が目を奪われたのはその素朴なアクセサリーではなかった。店番をしながらも震える手で作品を作っていたおばあさんの瞳はどんなブランド物のアクセサリーにも負けない輝きをしていた。その瞳を見た瞬間、私の体は勝手に動き、そのおばあさんに声をかけていた。
「すみません。これって私にも作れますか?」
青春
公開:22/01/26 20:24

uni6-ゆにむ-( この世 )

友人に誘われて初めました。
練習として書いた作品の供養をしようと思ってます。

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