貧乏神の変身

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福の神と貧乏神は隣同士で住んでいました。
貧乏神の家の前には、痩せた犬や猫ばかりがいましたが、福の神の家には人々が行列して訪れ、太った犬や猫ばかりが集まっていました。

福の神は朝も夜も人々の願いを叶えてあげようと、頑張り続けてとても疲れていました。
洗濯の後、自分の金色の服を誤って貧乏神の庭に干してしまい、取り込むのを忘れていました。
金色の服を見つけた貧乏神は、ボロ着を脱ぎ金色の服に着替えてみますと、自分がとっても立派に見えたので、喜んでその服を着たまま家の前に立っていました。

すると人々が集まって来て、色々な欲深い願いをして行きましたので、たった一日でどっと疲れが出ました。
やはりこの服を返す事にし、福の神さんに貴方は賢いです。今年の福豆撒きを手伝わせて貰いますと言った。
貧しかった貧乏神の田に福豆を撒くと豊かに実り、毎日働く様になった貧乏神はいつの間にか福の神になっていました。
ファンタジー
公開:22/01/26 06:29
更新:22/01/26 14:20

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