痕

「Aさんが行方不明らしいの…貴方達知らない？」
担任の問に私達は首を横に振る。アイツ、まだ家に帰れていないんだ。
山奥に置き去りにしたのが１週間前。死んだんじゃない？と笑い合った。

翌日、Bが死んだ。
絞められた首にははっきりと手の痕がついている。
それはAの手形と断定された。

さらにCが死んだ。
車にはねられたらしい。その背中には誰かに蹴られたような痕があった。
足のサイズからAではないかと噂された。

Dも、Eも、死んだ。Aに殺されたんだ！
復讐のつもり？私は絶対に殺されない！絶対にAを返り討ちにしてやる！

Aの死体が山で見つかった。
足を滑らせて死んだらしく、死後５日は経っているらしい。
じゃあ、皆を殺したのは誰？
Aの幽霊？バカバカしい。そんなのあるわけない！

１０日後、私の体におかしな痣が出来ていた。
それはAの顔そっくりな人面瘡で毎晩私に「やっとあなたを殺せる」と呟く。