さよなら森脇くん
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僕がトイレに閉じ込められた時、森脇くんは必ず様子を見に来てくれた。助けてはくれなかったけど、いつも「大丈夫かあ」と声をかけてくれた。濡れて、肌に張り付いた服が気持ち悪かったけど、それだけで嬉しかった。中学校でも高校でも、森脇くんは僕がどんな目にあっていようと、「大丈夫かあ」と声をかけてくれた。
大学進学とともに僕らは上京した。少し狭かったけど、二人で同じ部屋に暮らした。友達が全然できないことや、バイト先に意地悪な先輩がいる話をすると、森脇くんは気にかけてくれて、いつも「大丈夫かあ」と声をかけてくれた。
程なくして友達もでき、さらに彼女ができた。就職も決まった。支えてくれた森脇くんのおかげだ。
「大丈夫だな」
突然だった。ある日、森脇くんは煙のようにいなくなった。
それきり一度も会っていない。
「それ、誰のこと…?」
森脇くんの話をすると、妻は嫌な顔をする。なぜだろう。
大学進学とともに僕らは上京した。少し狭かったけど、二人で同じ部屋に暮らした。友達が全然できないことや、バイト先に意地悪な先輩がいる話をすると、森脇くんは気にかけてくれて、いつも「大丈夫かあ」と声をかけてくれた。
程なくして友達もでき、さらに彼女ができた。就職も決まった。支えてくれた森脇くんのおかげだ。
「大丈夫だな」
突然だった。ある日、森脇くんは煙のようにいなくなった。
それきり一度も会っていない。
「それ、誰のこと…?」
森脇くんの話をすると、妻は嫌な顔をする。なぜだろう。
青春
公開:22/01/22 07:17
面白い文章が書けるように練習しています。
日々の生活の中で考えたこと、思いついたことを題材にしてあれこれ書いています。
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