スクリーン

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分岐している。

つまるところ、選択肢がたくさん。

周りの学友達は授業後にどのルートを選ぶか模索している。

いつもの光景。

「今日行く?S大の男子とのコンパ?」
これは授業後の友達のいつもの決まり文句。
「止めとくよ。ゼミの課題やらなきゃいけないし。」
1秒足らずで発するレスポンス。これもいつもの決まり文句。

夜の寒気で眠る時間だと察した。
課題を途中まで終えたところでベッドに潜り込む。

暗闇の中でアプリゲームを起動する。

画面に映っているのは数年間、一緒にこの世界で過ごしてきた友達。

私の日常には存在しないけど、私の世界には確実に存在する人物。

スマホの画面が発する光が時計を照らす。
11:27分。

夜が今日を食べつくす前に私は私の世界に軽くノックする。

「このスキル上げとこうかな?」

今日はまだ終わらない。
その他
公開:22/01/24 18:32

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