かじゅうグミ

俺の趣味は悪戯グッズの開発。今日は身体測定の日だから、幼なじみのミキナに自信作の「かじゅうグミ」を渡してみた。
どうやら効果が出たらしい。鬼の形相のミキナが教室に乗り込んできて、俺の胸ぐらをつかんだ。
「あんたの仕業でしょっ！」
実はあのグミ、食べると体重が１トンに増えるのだ。だから「加重グミ」。体型は変わらないから体重を測るまで気づかないし、効果はなんと１週間も続く。
ミキナが体重計に乗ったとたん、ものすごい勢いで数字が増えていき、ついに重みに耐え切れなくなってぶっ壊れたのだそうだ。爆笑したらぶん殴られた。

しかし、数日後、この加重グミが意外なところで役に立ったのである。
下校途中、ミキナは不審な男に声をかけられたらしい。男は強引にミキナを車に乗せようとしたが、あまりの重さにその場にへたり込み、そのままお縄になった。
ミキナの両親にはとても感謝されたが、なんだか複雑な気分だ。