やかましい新機能

私が働くドラッグストアのポイントカードには独自の機能がついている。
ドサッ、とレジカウンターにスナック菓子とお茶が置かれた。スキンヘッドの男がこちらを見下ろしている。作業着からはキツいタバコの臭い。堅太りで背が高く、猛禽類のような目。正直ちょっと怖い。
男は例のポイントカードをひっぱり出し、カウンターに放り出した。
「ぎゃああぁぁぁんん！！」
そう、このカードは雑に扱われると泣き喚くのである。こうなってしまったら赤ちゃんと一緒だ。あやすしかない。保護者、つまり、目の前の猛禽男が。
男は苦い顔で舌打ちすると、かがみ込んで両手で顔を覆う。
「いないいない、ばぁ〜！」
現れたのは、えびす顔のひょうきんなおじさんだった。
カードが泣き止むと、何事もなかったように会計を済ませた。が、帰り際にボソッと一言。
「ちゃんと手渡ししなきゃあダメだよな」
こうして、お客のマナーが改善されていくのだ。