人間カバー

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朝、出社すると同僚が頭からすっぽり布を被り、てるてる坊主スタイルで仕事していた。
それを馬鹿にした俺だが他の奴らは何の疑問も持たず「助けてやるよ」と同僚に手を差し伸べ始める。
そんな手助けもあり、同僚の前に積まれた山のような仕事は夕方にはすっかり片付いた。
気になった俺は帰り際、同僚に今日の恰好は何だったんだ?と聞いてみる。
「人間カバー知らないの?」
知らんよ。だが、その場は知ったかぶりをして後ほど調べてみた。何々…それを被っていると周りがカバーしてくれる便利アイテムだって?それはいい!俺も明日から人間カバーを被って仕事をしよう!
翌日、人間カバーを被った俺に誰も話しかけてこない。それどころか上司にクビを言い渡された。何でだ!?
「何でって、君の醜い内面がカバーに染み出て、汚れているからに決まっているじゃないか。そんなんじゃ誰も助けてくれないよ。あとカバーしていると捨てるにも便利なんだ」
公開:22/01/20 20:49

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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