尻

「本当にすみません…」
「気にするな。失敗は誰にでもある。最初っから全部上手く出来る奴なんていない。それに君が失敗しない奴だったら教育係を任された俺の立つ瀬もないだろ？」
僕の失敗を笑って先輩は笑って許してくれた。
「ただし、一度した失敗は出来る限り減らす事。その為に今、こうやって解決方法を教えているんだからしっかり覚える事。いいね？」
先輩から学ぶ事は本当に多い。いつか僕も後輩が出来たら、絶対に先輩見たく優しく頼りがいのあるところを見せるんだ、と心に誓う。
「お～い。そっちが終わったらこっちも頼む。俺は忙しいからな」
部長の声に先輩は舌打ちして、鞄から何かを取り出すとそれを部長に手渡した。
「部長、お尻シートです。自身の失敗・尻拭いはご自身でなさって下さい。それが出来ないようならその椅子は近々私がいただきます」
先輩の返しに部長は尻の座りが悪そうにする。
本当に頼りがいがあるなぁ…