鬼滅の桃太郎

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「太郎さん、私はもうダメでございます。 どうか私を殺して食べて下さい」 鬼との戦いで致命傷を負ったキジはそう言うと、首を振る太郎を見て、自ら火の中へ飛び込んだ。
「ああっ! キジ、止せ、止めろーー!」 サルも犬も止めようとしたが遅かった。
焼けてゆくキジの姿に涙を落とす。 やがて甘く香ばしい匂いに涎も落ちる。
「キジ、すまん! お前らも喰え!」 太郎はキジの力を得た、嘴と羽根を手に入れた。
「太郎さん、私達ももうダメでございます」 太郎はサルと犬も食べた。 長い尻尾と牙、身体中が毛深くなった。
「おのれ、鬼の大将、思い知れ!」 三匹の力を得ていた桃太郎は容易く倒した。
パチ、パチッ。
鬼が焼けていく。
鬼の力も得た。
「おじいさん、おばあさん、ただ今帰りました……」
「ぎゃーーっ! 鬼、いや化け物じゃーーっ!」
太郎は鬼ヶ島に戻ってくらしたとさ。
ファンタジー
公開:22/01/21 06:00
鬼滅 桃太郎

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書き散らかしています。 研究研鑽中につき、ご勘弁下さい。 コメントには必ず返信するつもりでいます。 私のは気にしないでください^_^

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