対コロナウィルス

「我々はもう長くコロナウィルスと戦って来た訳ですが、私から言わせてもらうと、全く戦っていない！」
「戦いの歴史の中で、専守防衛で敵に勝利したことがあったろうか。　座して死を待つなど、もう沢山だと言いたい」
「では、ウィルスを攻撃するという事ですか？」
「名は『対コロナウィルス』です」
「はっ？　コロナにコロナウィルスですか、意味がちょっと」
「要は、コロナウィルスに感染し人体に無毒化するウィルスを開発したという事です」
「な、なんとウィルスとウィルスを戦わせると！」
「ええ、これなら相手が変異しても、同じスピードで変異できるウィルスであれば、必ず終息に向かう、しかも相手がいなくなれば自然に自らも消滅する」
「おおーーっ！」
会場は歓声に包まれ、博士に沢山のフラッシュが焚かれた。

しかし、その後……。
うっ、ぐわっ！

「い、今のは？」
「オチをつけようとしたので、先生攻撃しておきました」