はじける前に

太ったのだろうか。
二年続きの全国的な感染症で外出も減っているからの、コロナ太りか…。
外食が減っているから太りはしないはずなんだが…。
僕は、首を傾げながら鏡に映る全身を見た。
顔色が悪い。いかにも余裕がない表情だ。
それに、窮屈で窮屈で、今にもはじけそうだ。
ゴム風船に例えるなら、あと一呼吸吹き込むと「パン」と割れてしまうに違いない。ところどころカラフルな色がなくなり薄くなってしまっている。

はち切れる前に買い替えなければならない。
僕は、走って走って、走った。

「すみません、伸縮性のある『伸びる気持ち』をください」
息ができなくなる前に、さあ着替えよう。