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夜、居間には僕と母ちゃんとばあちゃんがいた。
ばあちゃんは夜になるとガミガミ怒っていた。
何のことで怒っているのかわからなかったが、母ちゃんにガミガミ怒っていた。
母ちゃんはその間も居間の真ん中のストーブの前で床に座って縫物をしていた。
ばあちゃんが少し離れたところに立ってガミガミ怒っている間中、黙って縫物をしていた。
僕はたまに針の穴に糸をつけてやったりした。
相変わらずばあちゃんは少し離れたところで立ちながら母ちゃんにガミガミ怒っていた。
僕は年中の年頃だったが何のことで母ちゃんがガミガミ言われているのかわからなかったし、黙ってつっ立って聞いているだけだった。
ばあちゃんはかあちゃんが寝るまでガミガミ怒っていた。
それは父ちゃんが泊りの仕事でいないときばかりだった。
ばあちゃんは母ちゃんの親だった。

今は・・母を庇ってやれなかった悔いと、鬼の祖母への憎しみは消えない。
青春
公開:22/01/18 23:55
更新:22/01/30 18:54

新 武( さっぽろ )

誰にも書けない短編の連続、あなたの心に幸せのイマジネーションを。
e-mail:rsbi8037@yahoo.co.jp
★fc2ブログ
生き方が変わる映画の紹介ですぞ。
https://niimi.fc2.net/
 

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