鳩時計の寿命

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冬の深夜0時。
「パポッ……………パポッ……………」

鳩時計の鳩は、1時間かけて12回鳴いて、0時の時刻を知らせた。

限界だった。
鳩は思い出を振り返る。
自分を迎え入れてくれた、人間の家族が家の中で暮らしている情景。

大好きな家族たち。

時刻を知らせられなくなれば、捨てられるだろうか。もっとこの家庭を見守っていきたかった。

「悲しいな。」
泣きながら、鳩はできる限り時刻を知らせるために頑張って、鳴いた。

けど、いよいよ取り外されてしまい、時計も止められた。

真っ暗で小さい鳩の部屋。
もう扉を開けることはできない暗い部屋。
ずっと眠り続け……なかった。

なんと鳩時計は玄関に飾られた。
鳩の部屋の扉は開きっぱなしになるよう固定された。

そして鳩時計の鳩は、それから玄関で家族の「行ってきます」と「ただいま」を見守るようになったとさ。
その他
公開:22/01/18 22:01

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