河童釣り
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「お母さん、きゅうりちょうだい」
「あら、河童釣りに行くの? 少し風が強いから川に落ちないように気をつけてね」
「分かってるよ」
釣竿にきゅうりを括り付ける。隣町にもやはり河童が住んでいるらしいが、この町の河童達はトゲトゲしたきゅうりが大好物だった。
「玄関にあるから、好きなの持って行きなさいよ」
「うん」
かごいっぱい一杯のきゅうりに手を伸ばすと、棘で指を傷付けてしまった。
「これ軍手」
「間に合わなかったよ」
「痛む? 今日は止めたら?」
「大丈夫だよ」
「血の匂いで噛まれないようにゴム手袋しなさいよ」
匂いに敏感な河童達はゴム手袋を嫌ってか姿を見せない。そっとゴム手袋を取ってみると絆創膏が血で滲んでいた。
「あっ」
釣竿が引っ張られ、ぬっと河童が顔を出した。河童はじっと怪我した指を見ていたが、掴んでいたきゅうりを食べ始める。
「どう? 美味しい?」
河童は指を見ていた。
「あら、河童釣りに行くの? 少し風が強いから川に落ちないように気をつけてね」
「分かってるよ」
釣竿にきゅうりを括り付ける。隣町にもやはり河童が住んでいるらしいが、この町の河童達はトゲトゲしたきゅうりが大好物だった。
「玄関にあるから、好きなの持って行きなさいよ」
「うん」
かごいっぱい一杯のきゅうりに手を伸ばすと、棘で指を傷付けてしまった。
「これ軍手」
「間に合わなかったよ」
「痛む? 今日は止めたら?」
「大丈夫だよ」
「血の匂いで噛まれないようにゴム手袋しなさいよ」
匂いに敏感な河童達はゴム手袋を嫌ってか姿を見せない。そっとゴム手袋を取ってみると絆創膏が血で滲んでいた。
「あっ」
釣竿が引っ張られ、ぬっと河童が顔を出した。河童はじっと怪我した指を見ていたが、掴んでいたきゅうりを食べ始める。
「どう? 美味しい?」
河童は指を見ていた。
ファンタジー
公開:22/01/19 21:02
更新:22/01/20 00:30
更新:22/01/20 00:30
1月19日
いいきゅうりの日
またまた河童話
河童沼
河童釣り
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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