時計と記憶
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「恵!よぅ来たのう」
お爺ちゃんが私を暖かく迎えてくれる。胸がチクリと痛んだ。
私はこの人の孫ではない。そもそも恵ですらない…
本物の恵は私に孫の代役を頼み、大学で履修を受けている。どうしても抜けられないもので、代わりに私が来たというわけだ。
お爺ちゃんが私を疑う素振りはない。それもそうだ。これが初めてじゃない。
だからこそ毎回罪悪感で押し潰されそうになる。
そんな不安を感じ取ってかお爺ちゃんが聞いて来た。
「もしかして、本物の恵になんかあったんか?」
その一言に驚く。バレていた!?でもいつ?
「そんなの最初っからに決まっとる。恵はな、食事する際に時計を外すような上品な娘じゃない」
かかかっ!と笑うお爺ちゃん。じゃあ何で私を受け入れてくれたんだろう?
「お前さん、恵の親友じゃろ?あの子の話をする眼の優しさで分かる。それに孫がもう一人できたみたいで嬉しかったんでな」
この人にはかなわないな…
お爺ちゃんが私を暖かく迎えてくれる。胸がチクリと痛んだ。
私はこの人の孫ではない。そもそも恵ですらない…
本物の恵は私に孫の代役を頼み、大学で履修を受けている。どうしても抜けられないもので、代わりに私が来たというわけだ。
お爺ちゃんが私を疑う素振りはない。それもそうだ。これが初めてじゃない。
だからこそ毎回罪悪感で押し潰されそうになる。
そんな不安を感じ取ってかお爺ちゃんが聞いて来た。
「もしかして、本物の恵になんかあったんか?」
その一言に驚く。バレていた!?でもいつ?
「そんなの最初っからに決まっとる。恵はな、食事する際に時計を外すような上品な娘じゃない」
かかかっ!と笑うお爺ちゃん。じゃあ何で私を受け入れてくれたんだろう?
「お前さん、恵の親友じゃろ?あの子の話をする眼の優しさで分かる。それに孫がもう一人できたみたいで嬉しかったんでな」
この人にはかなわないな…
公開:22/01/19 20:48
元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。
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