思い出の形

パシャリ

パシャリ

1枚、また1枚と写真が増えていく。アルバムはもう5冊目に突入していた。

「可愛いね」

赤ちゃんの頃から、幼稚園の入園式、お遊戯会、卒園式、小学校入学式、運動会、修学旅行、卒業式…イベント毎だけじゃない、日常のなんてない一コマだって、一瞬たりとも逃がさない。
今日は、友達と遊ぶんだって言ってた。
家を出る前に、ほら、1枚撮るよ。

パシャリ

？
そんなにキョロキョロしてどうしたのかな。
何か気になるものでもあったのかな。
でも、大丈夫だよ。
君には僕がついているから。

「生まれてから死ぬまで、僕がずっと見守ってるからね」






「……ねぇ、お父さん」
「どうしたんだ」
「何か、今日やたら視線を感じるんだよね……」
「またか？……何かあってからじゃ遅いしな。よし、俺に任せとけ」

パシャリ

パシャリ

シャッター音が、遠くで聞こえた気がした。