お化粧/青春

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パウダーを叩いてアイシャドウを乗せる。
今日はピンクのアイシャドウにしようかしら。
口紅を塗ると鏡に映る私は別人のよう。
眺めていると背後から声をかけられた。
「またママのお化粧品で遊んで!ダメでしょう!」


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壊れやすさと幼さが同居する刹那の間が青春であるとするならば。
黒く爛れた僕の脳を〝青春〟で壊してみたかった。
猫はもう居ない。紙で切った指先がじわじわと痛い。
心臓の動きで僕には内臓があると知る。
今日はよく眠れるだろうか。
ずっと幼子のように過ごしたかった。
青春
公開:22/01/17 01:18

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