切手シート三等賞

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お年玉付き年賀はがきの当選番号表を見ながら、ドキドキししつ一枚ずつ、丁寧に賀状をチェックしていく。
一等賞や二等賞は元々期待は無理だが、せめて三等賞の切手シート位は射止めたい。
順番に見ていくと三等の二桁数字に、一番違いが何枚か有る。この人が書いた別の人への賀状は当たっているな、きっと喜んでいるに違いないなと勝手に想像してしまう。
とは言えゼロの年もあるのに、終わりの方で切手シートが2通当たった。
既に今日は切手と交換出来るから、喜んで郵便局に出掛けた。
受取用紙に名前を書いて下さい、更に大きな声で局員さんに”お目出度うございます”と二度も言われた。周りの客も何事かと振り向き、私の方を見ている。

何と、恥ずかしいではないか、一等や二等ならまだ分かるが三等でそれを言うか。
でも帰りの鞄からガォーガォーとけたたましい鳴き声が聞こえる。
切手の絵柄は寅であり、差出人も寅年生まれの友人であった。
ファンタジー
公開:22/01/18 13:54

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