危うい貯金箱

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「お兄さん。お兄さん。面白いもんあるよ。買わない?」

道端に風呂敷を広げた胡散臭い男が話しかけてきた。

「何売ってるの?」
「これだよ。危うい貯金箱」
「危うい?何が危ういの?まさか入れた金を盗られるんじゃないだろうな?」
「そのまさかだよ。いいかい?例えば100円入れるとする。すると入れた100円玉は落下するわな。その時にコインが表なら倍の200円に。裏が出れば半額の50円が貯金される貯金箱さ」
「それじゃ、貯金箱じゃなくてギャンブル箱じゃないか」
「わはは。面白いだろ?」

まあ確かに面白い品物だ。俺は500円という安さもあり、その危うい貯金箱を購入し、100円玉を10枚用意した。

「さて1000円分入れてみるか」

ちゃりちゃりちゃりん。
入れた100円玉は、なんとあろうことか全て裏が出た。

「あー!?500円盗られた!?もう一回だ!!」

こうして俺は、貯金が進んでいった。
公開:22/01/18 10:44

富本アキユ( 日本 )

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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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