拗ねた私

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彼との喧嘩は、本当にくだらない些細な事だった。

「いや、コーヒーはブラックだろう。あの苦味だが良いんだ。お前はミルクや砂糖を入れるなんてお子様だな」
「何よ!!そんな言い方ないじゃない!!」

怒った私は席を立ち、カフェを後にした。

「おい、待てよ。まだ話は終わってないぞ」

彼が急いで会計を済ませて、慌てて私を追いかけてきた。ふふっ、計算通りね。

「そう怒るなよ。確かに俺の言い方が悪かった」
「…………」

私は拗ねた振りをした。

「わかったよ。機嫌治せよ。サービスするからさ」
「ほんと?」
「ああ、ほんとだ。30%オフ」
「もう一声」
「じゃあ40%オフ」
「もうちょい」
「わかったよ。半額。50%オフでいい」
「やった。じゃあよろしく。契約成立ってことで」

彼は殺し屋。私はただの依頼人。
でも彼、私にちょっと気があるみたいに見えるから、安くしてもらってるのよね。これも作戦。
公開:22/01/15 09:41

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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