母なる星を求めて

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地球環境は悪化の一途をたどっている。
もう一刻の猶予も許されない。
遂にこのプロジェクトを実行に移す時が来たのだ。

選ばれたクルーは4名だ。

まずは、ヒメツリガネゴケ。原始の地球に酸素をもたらすきっかけとなった「光合成」ができるクルーは必須だ。

次に、クマムシ。1ミリメートルという超小型で、あらゆる環境に適応し、放射線にも耐えうる頼もしい存在だ。

続いて、超好熱菌を招待しよう。超高温下で無機物から有機物を合成する貴重な能力はクルーとして欠かせない。

最後に、「私たち」だ。
知能を保ったまま、体を極限まで小さくすることに成功した。
もはや、「人間」の姿ではなく、ただの細胞塊である。

人間は昔、これを「退化」と呼んだ。
しかし、これこそが、本当の「進化」ではないか。

さあ、彗星に乗って、広大な宇宙空間へ、母なる星を求めて漕ぎ出そう。

プロジェクト名は『ノアの箱舟』。
SF
公開:22/01/14 21:57
宇宙 進化 生物 地球環境 SF

樹立夏( 北海道 日本 )

はじめまして!樹立夏(いつき・りつか)と申します。まだまだ小説を書き始めたばかりですが、一生懸命に活動していきますので、ご一読いただけますと幸いです!

森の植物をこよなく愛しています。

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