時計と記憶

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私を拾ってくれたのは時計屋の主人でした。
優しい方で私もこの方の力になりたいと思い、看板猫を買って出ました。おかげで店は人気となり、私目当てにやってくるお客さんも少なくなかったです。
しかし、それをよく思わない人達がいました。地上げ屋です。
彼らは時計屋を閉店に追い込めないと知るや武力行使に出ました。主人を事故に見せかけて殺したのです。
その時、私は誓いました。必ず奴らに復讐すると。
この記憶を決して忘れまいと主人の時計を肌身離さず持ち歩きました。
おかげで私は時計ワニならぬ時計猫として一部の者に恐れられているようです。
私、猫なもので相手を追い詰めるのは得意なんです。さらに執念深く、計算高い私は必ず奴らを山猫軒へと逃げ込ませます。
…10分程待ちましょう。それから店に入ると店の主人が私を食事に招いてくれます。
今日の肉料理も絶品ですね。
これが何の肉なのかは…言わなくても分かるでしょう?
ファンタジー
公開:22/01/14 20:54

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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