ネコタツ

愛猫が死んだと聞き、婆ちゃんの慰めに行く。あわよくばお小遣いを貰えないかと下心を秘めて…
「よぅ来たねぇ」
婆ちゃんは意外と元気そうだった。こたつにくるまれニコニコしている。って、何でこたつが婆ちゃんをくるんでいるんだ！？
「それはね、こたつにタツの魂が宿ったからだよ。ネコタツとでも呼ぼうかね」
タツとは死んだ愛猫の名前。まさかそんな事が起ころうとは…
「タツはこたつで寝るのが大好きでね。今も１日の殆どをこうやって過ごしているよ。その温かさを私も分けてもらっているんだ。それにネコタツはしっかりと水も飲んでいて、加湿効果もあって凄く助かっているよ」
それは凄い。自分もその恩恵を分けてもらおうとネコタツに触れる。
バシッ！と手を叩かれた。
「あんた、ものは大切にせんし、タツにも嫌われとったからねぇ。悪いけんど今のあんたに分けてあげるものは何もないよ」
ものも猫ももっと大事にしておけばよかった…