四畳半の部屋

何も無く狭い四畳半の部屋。
キッチンとバスルームは別で、ベッド一つ真ん中に置いてある。　ミニマリストという性格もあるが、探していた理想の部屋だ。
今、僕は広大な砂漠の中、ベッドの上に座っている。
３６０度地平線が見える大パノラマ、風の音が強く、丘に砂紋が蠕き、焼けつく陽射しが真上から射し続ける。
しかし、ベッドの僕の周りだけは魔法で守られた様に平穏だ。
僕はその空間に４０インチのモニターを出して、ニュースを見る。　やがて眠くなると、砂漠を夜に変えた。
澄んだ空気と人工物の無い大地に、月と星の光が、薄っすらと砂丘を浮かび上がらせる。
眩しさに目を閉じ、微睡んでしまう。

朝のタイマーで解除されたプロジェクションマッピング。　部屋は四畳半に戻っていた。
僕は忙しい日常へと戻る。