神様の思いやり

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周りがまだ真っ暗な早朝から、森の動物達が皆で境内を一生懸命に掃除をしていました。狸が近くで神様が混じって掃除しているのに気が付き、
「神様お早うございます、いつも供物のお下がりを頂戴し、有難うございます。この冬も何とか皆で無事に過ごせそうです」とお礼を言った。「ところで神様自らお掃除とは、一体どうされたのですか」と尋ねた。

すると神様は、「神社に奉納された絵馬には,多くの受験生の合格祈願が書かれた札もあります。その受験生や家族を訪ねてみて、皆の真剣さを目の当たりにし、頭の下がる気持ちです。

何としても支えになろうと思い、受験当日には冷静に持てる力を十分に発揮出来る様に念力を授けて来たのです。私ものんびりしていてはいけないと思い、貴方達と一緒に境内の掃除をしているのです」と答えた。
神様の皆への深い思いやりや境内の塵一つ無い清掃が、訪れる人々に心の清々しさと幸せを与え、益々繁栄しました。
ファンタジー
公開:22/01/16 06:26
更新:22/01/16 14:53

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