時計と記憶

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友人から面白い時計を貰った。見た目は何の変哲も面白みもない時計。
しかしこの時計、電池ではなくお金を入れる事で貯金箱としても使えるものだった。
試しに100円を入れてみる。時計はきっちり100分動いて止まった。
面白い。1円1分なのか。時計を動かし続けるにはそれなりに入金をしないといけないんだな。
その日から私は時計を動かす為に貯金を始めた。これまで何度も失敗してきたが今度は上手くいきそうだ。時計が動くのを見ると誇らしくなってくる。
…だが時計を動かし続けるのは意外と難しい。金は簡単に貯まるものじゃない。
それでも時計を動かしたい私は借金をした。借りた金を時計に入れる。
途端、時計から危険なニオイがしてきた。何だこれ!
「もしかして、ヤバい金入れたんじゃないか?その時計はその金をどうやって手に入れたかも記憶しているんだ。それは警告のニオイだよ」
ニオイと友人の答えに私は冷静さを取り戻した。
公開:22/01/15 20:32

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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