お菓子の箱

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私の初恋は、決して叶わない恋だった。私の初恋の相手は、叔父さんだったからだ。お母さんのお兄ちゃんで、よく私が遊びに行くと遊んでくれた。そして私が来た時の為にとお菓子の箱を置いてくれているのだ。

「亜里沙、ここにお前用のお菓子の箱を置いておくからな。叔父さんの家に来たら好きに食べて良いからな」
「ありがとう!」

それから叔父さんは、お菓子の箱の中に色々なお菓子を沢山入れてくれた。私が成長していくと好きなお菓子の好みが変わっても、なぜかいつも好きなお菓子が入っていた。私はその理由を叔父さんに訊ねた。

「どうして私が好きなお菓子が分かるの?」

するとそのカラクリが分かった。叔父さんは、お母さんに連絡して私が良く買うお菓子を聞いてくれていたらしい。そうだったんだ。叔父さんは、私の成長をお菓子を通して感じていたんだ。

そう考えると、なんだか面白くなってきてクスッと笑ってしまった。
公開:22/01/13 09:59

富本アキユ( 日本 )

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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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