埋蔵金は雪の中
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スキーの裏にガリッと嫌な感触があって、浩太は滑るのを止めた。後ろから世奈が「どうしたの?」と声をかけながら止まる。
「何か嫌な音がした」
「え?」
浩太はスキー板を外し裏側を見る。傷にはなってないみたいだ。
「氷の所踏んだんじゃないの」
「うーん」
止まった辺りの雪で何かが鈍く光った。
「あっ」
「なになに?」
世奈はスキー板を二の字にしたまま、浩太の手元を覗こうとしてバランスを崩している。
「埋蔵金だ」
「え?」
にやりと笑う浩太の手には雪の塊。雪をほぐして、突き刺さっている小銭を取る。
「おお、百円が三枚と十円が二枚」
「でも何で?」
「ポケットから落ちたんだろうけど」
「そのお金、先生に届ける?」
「ーーお前、共犯な」
休憩中にコーンポタージュを飲んでいると、目の前で中年の男がドスンと転んだ。半開きの尻ポケットから光る何かがポツンと雪に落ちた。
「何か嫌な音がした」
「え?」
浩太はスキー板を外し裏側を見る。傷にはなってないみたいだ。
「氷の所踏んだんじゃないの」
「うーん」
止まった辺りの雪で何かが鈍く光った。
「あっ」
「なになに?」
世奈はスキー板を二の字にしたまま、浩太の手元を覗こうとしてバランスを崩している。
「埋蔵金だ」
「え?」
にやりと笑う浩太の手には雪の塊。雪をほぐして、突き刺さっている小銭を取る。
「おお、百円が三枚と十円が二枚」
「でも何で?」
「ポケットから落ちたんだろうけど」
「そのお金、先生に届ける?」
「ーーお前、共犯な」
休憩中にコーンポタージュを飲んでいると、目の前で中年の男がドスンと転んだ。半開きの尻ポケットから光る何かがポツンと雪に落ちた。
青春
公開:22/01/13 09:43
スキー場
小銭
じゃら銭
今はピッだから無いかもね
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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