疲れたら、お湯になろう

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仕事で嫌なことがあり、心身共にぼろぼろだ。こんな日は、熱いお風呂にゆっくり浸かるに限る。

新しい入浴剤を使おうとして、注意書きを見た。

「お疲れの場合、お身体が湯に溶けることがあります。一時間ほどで元に戻りますので、ご安心ください」

とある。

疲弊していたので、特に気にもせず使う。

ラベンダー色の湯につかると、すぐに体が温まってきた。香りもいい。気に入った。

と思ったら、爪先から体が溶け始めた。体がどんどん湯と一体化していく。五分ほどで、全身が溶けてしまった。

意外にも、とても心地よい。

たぷん、たぷんと、たゆたう。ほかほかとして、頭(今はないけれど、あえて言うならば)の芯が完全にほぐれた。

一時間はあっという間で、私はまた爪先から元の体に戻っていった。

やっぱり体はいいなあ。
明日も、この体とともに、働いて、遊んで、生きていこう。

その夜、私はぐっすりと眠った。
その他
公開:22/01/11 15:00

樹立夏( 北海道 日本 )

はじめまして!樹立夏(いつき・りつか)と申します。まだまだ小説を書き始めたばかりですが、一生懸命に活動していきますので、ご一読いただけますと幸いです!

森の植物をこよなく愛しています。

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