スイカ
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昭和の時代。夏の猛暑が照り付ける中、小次郎は縁側でスイカをかじっていた。
「あっちぃ~」
すると誰かが庭にやってきた。ボロボロの恰好をした男だ。
「すみません。何か食べる物をもらえませんか……?」
「うーん。俺、料理できないし。ああ、そうだ。スイカ食べる?」
「ありがとうございます」
男は涙を流しながら「ありがとう、ありがとう」と言いながらスイカを食べた。
「このご恩は、きっといつかお返し致します。いつか必ず……」
「うん。まあそんなに気にしなくてもいいよ」
それから80年が経った。
小五郎には、孫ができて一人静かに余生を過ごしていた。ある日、誰かが訪ねてきた。
「お久しぶりです。その節はお世話になりました」
あの時、スイカをあげた男が当時の姿のままで男の前に現れた。そして言った。
「願いを何でも一つ叶えます」
小次郎は言った。
「もう十分だ。孫にも会えたから」
「あっちぃ~」
すると誰かが庭にやってきた。ボロボロの恰好をした男だ。
「すみません。何か食べる物をもらえませんか……?」
「うーん。俺、料理できないし。ああ、そうだ。スイカ食べる?」
「ありがとうございます」
男は涙を流しながら「ありがとう、ありがとう」と言いながらスイカを食べた。
「このご恩は、きっといつかお返し致します。いつか必ず……」
「うん。まあそんなに気にしなくてもいいよ」
それから80年が経った。
小五郎には、孫ができて一人静かに余生を過ごしていた。ある日、誰かが訪ねてきた。
「お久しぶりです。その節はお世話になりました」
あの時、スイカをあげた男が当時の姿のままで男の前に現れた。そして言った。
「願いを何でも一つ叶えます」
小次郎は言った。
「もう十分だ。孫にも会えたから」
公開:22/01/11 10:55
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