油断
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「そろそろ行くか」
花の蜜で腹を満たした蝶々が、大きな羽根を広げて飛んで行く。
ふと、下を見ると、草の上で蟷螂が他の蝶を捕まえてバリバリと頭から食べていた。大きな羽根は鎌の中でぎしゃりとひしゃげて、無惨に散りかけている。悲鳴すら上げる間などなかったのではなかろうか。
「運がなかったな。」
自分も気をつけなければ。
そう思い、前を向いたとき。
ベタッ!
何だ、これは…。
気がつくと、細い糸が張り巡らされた中に突っ込んでいた。糸は粘着性を持っており、もがけばもがくほど強くくっついてくる。
しまった…
頭上を見ると、鋭い牙から唾液を滴らせた「あいつ」が降りてくる所だった。
怖い、怖い、、、!
必死に脱出しようとするも、糸は絡まるばかり。
嫌だ、嫌だ、、、!!
長く黒い脚が取り囲む。
最後に見たのは、ギラリと光る八つのガラス玉に映った、青白い顔だった。
花の蜜で腹を満たした蝶々が、大きな羽根を広げて飛んで行く。
ふと、下を見ると、草の上で蟷螂が他の蝶を捕まえてバリバリと頭から食べていた。大きな羽根は鎌の中でぎしゃりとひしゃげて、無惨に散りかけている。悲鳴すら上げる間などなかったのではなかろうか。
「運がなかったな。」
自分も気をつけなければ。
そう思い、前を向いたとき。
ベタッ!
何だ、これは…。
気がつくと、細い糸が張り巡らされた中に突っ込んでいた。糸は粘着性を持っており、もがけばもがくほど強くくっついてくる。
しまった…
頭上を見ると、鋭い牙から唾液を滴らせた「あいつ」が降りてくる所だった。
怖い、怖い、、、!
必死に脱出しようとするも、糸は絡まるばかり。
嫌だ、嫌だ、、、!!
長く黒い脚が取り囲む。
最後に見たのは、ギラリと光る八つのガラス玉に映った、青白い顔だった。
ホラー
公開:21/09/12 13:53
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