ウサギの餅つき

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餅を焼いた匂いと煙を外へ逃がすため、窓を開ける。そこには大きな月が見えた。
「ねぇねぇ。月では、ウサギがお餅をついているって言うじゃない」
後ろから、餅が焼けるのを待つ嫁が話しかけてくる。
「そうだね」
「だとしたら、大変だよ」
妻が、また何か語り始めた。
「餅をついて、あんなクレーター作っちゃうなんて。きっと、とんでもない怪力のウサギたちが…いる」
ウサギたちによる人類への警鐘を受信する嫁を尻目に、俺は焼き立ての餅を食べる。やはり、餅は海苔と醤油かな。
「ねぇねぇ。聞いてる?あんな危険なウサギ、放っておいたら…」
俺は嫁に餅を食べさせて口を塞ぐと、二人で月を眺めた。
その他
公開:21/09/13 18:00
更新:21/09/12 00:38

お弁当係

2021年7月、投稿開始。
小説を読むのが好きですが、書くのも楽しそうで始めてみました。
読んでいただければ幸いです。
 

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