あきら、あきらめるな

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崖の下は、深くて底が見えない。俺は親友のあきらの手をなんとか掴んでいた。

「くっ……あっ……ああっ……。あっ……あきらぁ……手を……伸ばせ……」
「くっ……うっ……ううっ……。ダメだ……。力が……。あがれない」
「あきらぁ……」
「みつ……ひこ……」
「頑張れ……あきらぁ……」
「俺は……もうっ……だめだ。手を……放せ……。お前まで……落ちてしまう」
「あきらぁ……。そんなことできるわけないだろう。いいから手を……伸ばせ」
「俺はもうっ……ここまでだ……」
「あきら……あきらめるな……」
「今のは、俺の名前を言いたかったのか?それとも、あきらめるなって2回言ったのか?……あきら、あきらめるなって」
「今!?それ今それ言う!?この状況で!!」
「フッ……どっちでもいいか。じゃあな」

あきらは手を放し、深い崖の下に落ちていった。

「あきらぁあああああああ、あきらめるなぁああああああ」
公開:21/09/13 11:49

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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