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(私は2年前に乳がんの再発で、もう片方の乳房も失った。その後は再発も無く、間もなく新しい命を授かった。妊娠経過も順調で、もうすぐ産まれて来る。しかし、母乳をあげる事が出来ない。)
「次、いきんだら赤ちゃん、産まれるよ」と助産師が私に声を掛けた。
「ふ、ふ、う〜ん」
「おぎゃー」と真っ赤な顔の赤ちゃんが見えた。
「女の子ですね」と助産師が持ち上げた我が子は何か緑色の大きな実を抱きしめていた。
「次に胎盤が出るけど、いきまなくいいですよ」と私のお腹をさする助産師には、その実は見えていないようだった。
でも、確かに我が子は抱きしめてる。
良く見ると、それはアボカドだった。
「赤ちゃん、ママのお胸に行きますね」と助産師が我が子を連れてきた。
(我が子が抱きしめていたアボカドは消えていた。代わりに私には柔らかい乳房が現れていた。)
乳房を吸う我が子を見守る母親の顔は涙でクシャクシャになっていた。
「次、いきんだら赤ちゃん、産まれるよ」と助産師が私に声を掛けた。
「ふ、ふ、う〜ん」
「おぎゃー」と真っ赤な顔の赤ちゃんが見えた。
「女の子ですね」と助産師が持ち上げた我が子は何か緑色の大きな実を抱きしめていた。
「次に胎盤が出るけど、いきまなくいいですよ」と私のお腹をさする助産師には、その実は見えていないようだった。
でも、確かに我が子は抱きしめてる。
良く見ると、それはアボカドだった。
「赤ちゃん、ママのお胸に行きますね」と助産師が我が子を連れてきた。
(我が子が抱きしめていたアボカドは消えていた。代わりに私には柔らかい乳房が現れていた。)
乳房を吸う我が子を見守る母親の顔は涙でクシャクシャになっていた。
ファンタジー
公開:21/09/13 07:38
更新:21/09/13 14:34
更新:21/09/13 14:34
産婦人科専門医/指導医
@sanadakuma
tama-himawari3w.com
身体は日々の食事で出来ている。
妊婦さんにも食事の重要性について情報提供しています。
ダイエット中の方々にも食事・睡眠・運動の重要性について情報発信しています。
自身が「愛着障害」であることに気付き、もう一人の自分と上手に共生しています。
自分が、自分の『安全基地』になることが生きていくための拠り所なのかもしれない。
科学的な視点からの表現も交えて、ショートショートストーリーを作っています。
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