無駄な休日

田舎の水溜まりはスケールが違う。蛍が飛んでくる程の田舎だし。
休日の朝、俺は引っ越してきたばかりのこの村を散策してみようと思い外に出た。
すると昨日の夜に降っていた雨が、大きな落とし物をしているところに出くわした。車一台分の道の横幅の実に99.9%を覆うような巨大な水溜まりが出来上がっていたのである。
そこで困った俺。村の散策にはこの水溜まりを越える必要がある。
でも迂回が出来ないこともない。回りは田んぼだらけ、多少靴に泥が付くのを我慢すればこの水溜まりを避けることは可能だ。
でもどうせ靴が汚れるのならこの水溜まりを踏んで汚れるのも同じことな気がする。
しかしやっぱり汚れるのは嫌だ。俺が走り幅跳びの選手ならこんな水溜まり飛び越えられるのに。そう言えば走り幅跳びの世界記録は何メートルだろう？
気になった俺は調べるために家に戻った。調べ終え、満足した俺はその日家を出ることはなかった。