ニセモノの行方
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長旅に出るにしては少々頼りない装いで、僕は飛行機の列に並んでいた。
とはいえ前も後ろもみんな同じように軽装であるため、決して僕がおかしいわけではないのだ。
もう少し早く来ればよかったと後悔しながら順番を待っていると、前列の方が騒がしくなってきた。
「探知犬がお前に反応したようだが、これは一体どういうことだ?」
うんと背伸びをしてみると、税関職員が怒鳴っているのが見えた。
どうやら揉め事が起きたようで、大きくて黒い犬がけたたましく吠えている。
すぐ前に並んでいた若者の話によると、どうやら偽造パスポートで搭乗しようとしていたらしい。
「どうせすぐバレるのに、なんであんなことするんでしょうね。刑期が延びるリスクもあるのに」
「どうしてもこの飛行機に乗りたかったんでしょう。彼の気持ちは分からなくもないですよ、僕だって向こうは嫌ですし」
なんせ、天国と地獄とでは待遇が違いすぎるのだから。
とはいえ前も後ろもみんな同じように軽装であるため、決して僕がおかしいわけではないのだ。
もう少し早く来ればよかったと後悔しながら順番を待っていると、前列の方が騒がしくなってきた。
「探知犬がお前に反応したようだが、これは一体どういうことだ?」
うんと背伸びをしてみると、税関職員が怒鳴っているのが見えた。
どうやら揉め事が起きたようで、大きくて黒い犬がけたたましく吠えている。
すぐ前に並んでいた若者の話によると、どうやら偽造パスポートで搭乗しようとしていたらしい。
「どうせすぐバレるのに、なんであんなことするんでしょうね。刑期が延びるリスクもあるのに」
「どうしてもこの飛行機に乗りたかったんでしょう。彼の気持ちは分からなくもないですよ、僕だって向こうは嫌ですし」
なんせ、天国と地獄とでは待遇が違いすぎるのだから。
ファンタジー
公開:21/09/12 19:41
更新:21/12/04 15:48
更新:21/12/04 15:48
趣味で短編小説を書く大学生です。
思いついたとき、思いついただけ。
https://twitter.com/ono_syy
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