虹を見付けて

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長雨が止んで外には青空が見えた。嬉しくなり虹色のタオルを窓辺に広げた。
少しして戸を叩く音がし、開けると男が立っていた。
虹のある家が見えたので、来ましたと言う。
私は虹の国を愛する人を見付けては、案内する役目をしています。
今直ぐ一緒に行きませんかと言って、鞄を手渡した。

外に出ると虹が掛かっている。消える前にその下を通り入国しましょう。
急ぎ駆け抜けると男はさぁ、過去の服を脱ぎ捨て目の前の服に着替えて下さいと言った。
手を通すとワクワクする明るい気持ちになれ、今日まで家に閉じ籠もっていたのが遠い昔の様に思われた。

男と一緒に、虹を滑り降りた。
貴方は輝く七色を見付け、それを鞄に収めれば、必ず未来が開けますよと教えてくれ居なくなった。
私は鞄を持ち家の扉を開けると、虹色のタオルがガラス越しにキラキラと輝いていた。
いつの間にか鞄は重くなっていた。楽しい気持ちで生きて行けると確信した。
ファンタジー
公開:21/09/12 19:28

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