新米と味噌汁

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君は、味噌汁作りが上手い。
丁寧に出汁を取り、味噌の塩梅も最高。
君の自慢の具沢山な味噌汁はおかずもいらないくらいだ。
君に初めて味噌汁を作ってもらってから、僕の胃袋は完全に君に掴まれている。

仕事終わり、嬉しそうな君からの電話。
今年の新米を買ったよ。
今日は具沢山の味噌汁と、炊きたての新米を食べようね。
君の味噌汁と新米があれば、何もいらない。

あれから何年経っただろう。
君は別な男のところへ行った。
俺が仕事で忙しすぎたのだ。

今年も新米の季節が来る。
君に教わった味噌汁は作れるけれど。
炊きたての新米もあるけれど。
何もいらない訳じゃない。

僕には、君が必要だった。
その他
公開:21/09/11 18:00

お弁当係

2021年7月、投稿開始。
小説を読むのが好きですが、書くのも楽しそうで始めてみました。
読んでいただければ幸いです。
 

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