整幹院

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「どうなさいましたか」
「ちょっと凝り固まってしまって辛くて…」
「触りますね」と整幹師は患者の頭の柔軟性を触診する。
「なるほど、思想の偏りから発想やひいては思索までカチカチになってますね」
「どうりで。最近ワンパターンなモノしか思いつかなくて」
「ゲントレンでも見てみましょうか」
「何ですかゲント…レントゲン?」
「そういう所です。硬くなってる」と整幹師、ああと患者は狼狽えた。

「結果見ると、脳の姿勢が相当悪くなってます。ただ、元々ものすごい良い想像力お持ちですよ」
「実感無いです…」
「今姿勢が悪いから、その想像力の着地点がズレちゃってるんです。本来の空想する部位から反れて心配する部位に」「はぁ」
「どうです。まだ何も起きていないのに悩んだり不安になったりしてるでしょ」「…確かに」
「想像力が空想に着地するように矯正しますね」

「脳が軽い!」
帰宅後、吉田図工は『整幹院』を閃く。
SF
公開:21/09/09 05:00

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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