無機質の独り言

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ダイニングテーブルの上にいる。隣では扇風機がせわしなく首を振って風を散らす。風に吹かれても私は動かない。正確には動けない。何故なら足がないのだから。

想像力のないお前ら人類のために言っておこう。私は人間ではない。プラスチックボトルに詰められたコンタクトレンズ洗浄液だ。お前らは自分達だけが意思を持つ高等生物だと勘違いしているが、この世に意思の持たないものなんて存在しない。全ては人間の傲慢なのさ。
いいか。存在する全ての物は循環している。だから私も前は人間だったし、お前達も死んだらそこら辺の醤油か何かになるんだ。

それにしても最近は駄目だ。人間は物の有難みを忘れ、唯一無二の生物だと驕って仕様がない。
買うことに満足して使わない。使われない物は壊れもせず動けもせず、膨大な時間の中に存在するだけだ。
今の人類は死んだら思い知るだろう、自分の首を絞めていたことに。
私は未だ封も開けられていない。
ホラー
公開:21/09/08 18:51

太郎犬( 日本 )

読書量も文章力も想像力もまだまだですが、ちょっとずつ投稿していきます。
コメントいただけると嬉しいです。
 

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