ファンタジー

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何匹もの竜が、そらを飛び去っていく。
いっせいに、同じ方を向いて飛んでいく。まるで何かに誘われるみたいに。

「どうしたことだろう。村長、いったい何が起ころうとしているんだ?」
C氏が訪ねた。薄暗い部屋の中で、火の光だけが彼らの顔を照らしていた。
「こんなことはいままでになかった。この世の終わりか。いずれにせよ覚悟をしておけよ」

翌日の午後、C氏は、身支度を整え始めた。
「どこへ?」
「始まりの火山」
「あなたでなくてはいけないの?」
妻の抱く幼子をじっと見、C氏は一瞬躊躇ったが、決意が揺らぐのを押し止めるようにして言った。
「誰かがやらなくては」

何百もの竜が弧を描いている。火口では、紫色の霧が禍々しく渦を巻いている。C氏達は狙いを定めて弓を引いた。
大地が揺れる。何人かがバランスを崩して渦の中へと落ちていった。

「くるぞ」
誰かの叫び声。闇が振動し、巨大なウインナーが姿を現した。
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公開:21/09/10 08:00
更新:21/09/10 07:40

レオニード貴海( 某海なし県 )

さまようアラフォー主夫

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