名もなき花の話

0
2

夜中、ふと目が覚めるとカーテンの向こうで光がちかちかと点灯している事に気が付いた。
ここは2階だ。懐中電灯で悪戯されているか、もしくはUFOか…そっと窓に近づき外を覗く。
…なんて事ない。街灯が切れかかっていただけだ。
ん?あの光、おかしくないか?不規則な光の羅列。それが他の街灯にも伝播している。
私は街灯の光を動画で撮影し、それをモールス信号解読アプリへとかけてみた。
『はながさき、なかまがふえました』
花?何の事だ?
『そらにねをはる、りっぱなでんしんばしらに、いずれなるでしょう』
えっ!?電信柱って花が咲くと増えるものなの?…なんて、偶然偶然。そんなわけないって。
私はスマホを置くと再び眠りについた。

翌日、近所に新たな電信柱が立っていた。そんなバカな…
あの信号は本物だったの?じゃあ、電信柱の花も存在していたの?
誰も見た事のない、名もなき花を見るチャンスを私は逃してしまった…
ファンタジー
公開:21/09/06 20:34

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容