迷信の森

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「坊や、クリやドングリと言った、硬い実をつける私たちが、どうして背が高くなるか知っていますか?」
「ううん、分からないよ」
「それはね。うんと硬い実を、うんと高い所から、敵に落としてやっつけるためなんだよ」
「そうなんだ!」
「坊やも、立派な木に育ってね」
「うん!ボク、もっともっと高い木になって、もっともっと硬くて大きな実をつけるようになるよ!そして、僕たちをいじめるヤツを、片っ端からやっつけるんだ!」

村に面した、森の奥深く。
その一帯は、丸々とした大きな木の実がどっさり取れるという噂があるが、取りに行って生きて帰った者は居ないという。
木々が動き回るとか、凶暴な野獣がいるとか、人喰い植物が生えているとか、殺人蜂の巣があるとか。帰った者も無く、真実が分からない状況に村人は怯えた。
いつしかその森は迷いの森と呼ばれ、足を踏み入れる者は居なくなったという。
ファンタジー
公開:21/09/07 18:00

お弁当係

2021年7月、投稿開始。
小説を読むのが好きですが、書くのも楽しそうで始めてみました。
読んでいただければ幸いです。
 

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