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「あ、今年も虹泥棒が出たぞ」
畑を耕す手を止め農夫は遊びに来ていた孫に言った。
「虹泥棒?」
「ほら、あの虹をよく見てごらん。少し変だろ」
「……あ!6色しかない!赤色がない!」
「時々、虹から色が盗まれるんだ。今日みたく赤の時もあるし別の色の時もある」
農夫は顔の汗を拭い、孫の隣に腰掛けた。
「しかも犯人は分かってるんだ」
「え、誰!?」孫は眩しい表情のまま振り返った。
「神様だよ。世界を修理する時に足りない色があるとこっそり虹から拝借するんだ」
「え、虹が無くなっちゃう」孫が空に顔を戻す。
「大丈夫。後で神様はちゃんと返してくれる。それにこれは秘密なんだが…」
孫は忙しく顔を戻した。
「その時、神様は盗んだ色を少し多めに返してくれるんだ」
「多めに?どうなるの?」
ハハと笑い孫の頭を撫でて農夫は立ち上がる。
「大地から赤の恵みが増えるんだ。今年はトマトとビーツを多めに植えるとするか」
畑を耕す手を止め農夫は遊びに来ていた孫に言った。
「虹泥棒?」
「ほら、あの虹をよく見てごらん。少し変だろ」
「……あ!6色しかない!赤色がない!」
「時々、虹から色が盗まれるんだ。今日みたく赤の時もあるし別の色の時もある」
農夫は顔の汗を拭い、孫の隣に腰掛けた。
「しかも犯人は分かってるんだ」
「え、誰!?」孫は眩しい表情のまま振り返った。
「神様だよ。世界を修理する時に足りない色があるとこっそり虹から拝借するんだ」
「え、虹が無くなっちゃう」孫が空に顔を戻す。
「大丈夫。後で神様はちゃんと返してくれる。それにこれは秘密なんだが…」
孫は忙しく顔を戻した。
「その時、神様は盗んだ色を少し多めに返してくれるんだ」
「多めに?どうなるの?」
ハハと笑い孫の頭を撫でて農夫は立ち上がる。
「大地から赤の恵みが増えるんだ。今年はトマトとビーツを多めに植えるとするか」
ファンタジー
公開:21/09/05 14:56
更新:21/09/05 14:58
更新:21/09/05 14:58
まずは自分が楽しむこと。
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