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会議の次回の議題は「遅延」だった。事務局は調査チームに遅延の調査報告を命じたが、予想された通り調査作業は捗らない。別に専門家チームを立ち上げて遅延の意見を依頼したのだが、その召集がそもそも遅延して第一回専門家会議では出席者全員が遅延し、業を煮やした事務局は専門家たちに遅延証明を要求したところ、専門家たちは遅延の定義を明確にしないと証明できないと、専門家会議が始まるにはずいぶん時間を要した。一方、忘れた頃に調査チームが報告書を作成したが、それには提出が遅れた理由が延々と書かれていた。
それでもとにかく遅延会議開催の運びとなり、会議当日には開始時刻を一時間程すぎた頃から資料のコピーが、さらに三十分ほどしてペットボトル緑茶が配られたが出席者たちは遅れて半数にも及ばない。議長が会議資料をぱらぱらと見ると最終ページに次回の議題が書いてある。「逸脱」であった。気の早い議長はさっさと部屋を出て行った。
それでもとにかく遅延会議開催の運びとなり、会議当日には開始時刻を一時間程すぎた頃から資料のコピーが、さらに三十分ほどしてペットボトル緑茶が配られたが出席者たちは遅れて半数にも及ばない。議長が会議資料をぱらぱらと見ると最終ページに次回の議題が書いてある。「逸脱」であった。気の早い議長はさっさと部屋を出て行った。
その他
公開:21/09/05 13:29
2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。
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