313. ペンギンと暮らしたい

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 A国へ二年という期限で会社から単身赴任を命じられて越してきた当初は、戸惑うことも多かったが、自宅にはプールがあり、仲良くなった友人を招いては頻繁に泳いでいた。
 しかし、妻が作ってくれる和食が恋しくて、一日も早く帰国したいと常に願っていた。

 残り一ヶ月となった頃、何気なく住まいのしおりを見て愕然とした。
 なんとこの家のプールではペンギンの飼育が可能だったのだ。

 ペンギンは幼い頃動物園で見て、歩行時の可愛らしさに魅了され、泳ぐと存外に速くとても格好良いのでいつか飼ってみたいとずっと思っていた。
 だが日本では広いプールの確保や臭いの問題等があり飼育は難しく、一生飼えないものだと思っていた。
 しかしこの国では飼育しても良いのだ!
 なんてことだ……始めからきちんと読んでおけば……。

 俺は会社に滞在を延長してもらえないか相談の電話をし、マイカーで役所へ離婚届を貰いに急いだ。
ファンタジー
公開:21/09/05 20:13
更新:21/09/05 22:55
No.21の作品をリライト ペンギンLove♡

ことのは もも。( 日本 関西 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていこうと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

カントー地方在住
 

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