テセウスの船
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「だから、言ってるだろう! 親父は生きてるって」
「寝ぼけてるのはそっちだろう! これのどこがじいちゃんなんだ!」
二人の男が口論しているのをじっと見ているのは全身サイボーグ化された一人の男。
「ちゃんと医師の承諾も受けている! 生きてるったら、生きてるんだよ!」
「こっちは法律の専門家がついてるぜ! それによると全身サイボーグ化されると人間じゃないってよ」
眉をひそめるのは周りの親族だが、彼らも興味津々で話を聞いている。
なにしろこのサイボーグ化された男。莫大な財産を持っているのだ。
もっとも喋ることもできずただ「生きている」だけだが。
二人の口論を遮ったのは、ピーーー。という無機質な機械音であった。
「おい、呼吸が止まってる!」
慌ただしくなる中、一人涙をこらえている少女が一人。
「ごめんね。さよなら、おじいちゃん」
そういってコンセントを抜いた手でこっそり手袋を外した。
「寝ぼけてるのはそっちだろう! これのどこがじいちゃんなんだ!」
二人の男が口論しているのをじっと見ているのは全身サイボーグ化された一人の男。
「ちゃんと医師の承諾も受けている! 生きてるったら、生きてるんだよ!」
「こっちは法律の専門家がついてるぜ! それによると全身サイボーグ化されると人間じゃないってよ」
眉をひそめるのは周りの親族だが、彼らも興味津々で話を聞いている。
なにしろこのサイボーグ化された男。莫大な財産を持っているのだ。
もっとも喋ることもできずただ「生きている」だけだが。
二人の口論を遮ったのは、ピーーー。という無機質な機械音であった。
「おい、呼吸が止まってる!」
慌ただしくなる中、一人涙をこらえている少女が一人。
「ごめんね。さよなら、おじいちゃん」
そういってコンセントを抜いた手でこっそり手袋を外した。
SF
公開:21/09/03 19:02
ぼちぼちやっていこうと思います。
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